FP3級 学習ページ|CH03 金融資産運用
債券
債券の基本と利付債・割引債
債券は、国や地方公共団体、企業などが資金を借り入れるために発行する有価証券です。満期を償還期限、額面に対して支払われる利息の割合を表面利率(クーポンレート)といいます。
利付債は、原則として保有中に利子が支払われ、満期に額面金額が償還される債券です。割引債は、額面より低い価格で発行され、利子を別に支払わず、額面との差額が収益となる仕組みです。
債券は満期まで持つだけでなく、途中で市場価格により売却できるものもあるため、額面金額と市場での売買価格は同じとは限りません。
国債は償還までの期間によって分類され、償還期間10年の国債を長期国債といいます(20年以上は超長期国債)。社債は企業が資金調達のために発行する債券で、個人投資家向けに発行されるものもあります。国債と異なり、発行企業の信用リスクを負います。
利付債=利子+償還、割引債=額面との差が収益
個人向け国債の3タイプ
個人向け国債には、変動10年、固定5年、固定3年があります。変動10年は半年ごとに適用利率が見直され、固定5年・固定3年は発行時の利率が満期まで変わりません。
3タイプとも最低1万円から1万円単位で購入でき、金利の下限は年0.05%です。原則として発行後1年を経過すれば中途換金できますが、所定の中途換金調整額が差し引かれます。
変動するのは変動10年の適用利率であり、満期そのものが変わるわけではありません。
個人向け国債=変動10・固定5・固定3。1万円単位、最低金利0.05%
債券の最終利回りと所有期間利回り
債券の利回りは、投資した金額に対して1年当たりどれだけの収益を得るかを示す割合です。表面利率だけでなく、購入価格と売却・償還価格の差も含めて考えます。
満期まで保有する場合の最終利回りは、次の式で求めます。
最終利回り(%)={表面利率+(100-購入価格)÷残存年数}÷購入価格×100
満期前に売却する場合の所有期間利回りは次の式です。
所有期間利回り(%)={表面利率+(売却価格-購入価格)÷所有年数}÷購入価格×100
額面100円当たりの価格で計算し、値上がりなら差益、値下がりなら差損として扱います。
利付債を利払日と利払日の間で売買するときは、買い手が売り手に、前回の利払日の翌日から受渡日までの期間に対応する利子相当額を支払います。これを経過利子といいます。
経過利子 = 額面金額 × 表面利率 × 経過日数 ÷ 365
直接利回りは、1年間に受け取る利息を購入価格で割って求める利回りで、購入価格と償還価格の差は考慮しません。
利回り=利息に加えて購入価格と売却・償還価格の差も入れる。経過利子=前回利払日の翌日〜受渡日の分
市場金利と債券価格は逆に動く
固定利付債券の利率は発行時に決まっています。その後に市場金利が上昇すると、新しく発行される高い利率の債券の方が魅力的になるため、既発債券の価格は一般に下落します。
反対に市場金利が低下すると、既発債券の相対的な魅力が高まり、価格は一般に上昇します。
市場金利が上がる→債券価格は下がる、市場金利が下がる→債券価格は上がるという逆方向の関係を押さえます。
市場金利の変動によって債券価格が変動するリスクを金利リスクといいます。固定利付債券では、一般に市場金利が上昇すると価格は下落します。一般に、償還までの期間が長い固定利付債券ほど、市場金利の変動による債券価格への影響が大きくなる傾向があります。
金利↑=債券価格↓、金利↓=債券価格↑
信用リスク・格付け・カントリーリスク
債券の発行者が利子や償還金を約束どおり支払えなくなる可能性を信用リスクといいます。信用力を記号などで評価したものが格付けです。
他の条件が同じなら、信用力が低い発行者ほど投資家に高い収益を求められるため、一般に格付けが低い債券ほど利回りは高く、格付けが高い債券ほど利回りは低くなる傾向があります。一般にBBB格相当以上は投資適格とされます。
外国の債券では、発行体そのものの信用に加え、政治・経済・社会情勢などによって投資資金の回収が困難になるカントリーリスクにも注意します。
外国債券では、信用リスクや金利変動リスクに加え、外貨建ての場合は為替変動によって円換算額が変わる為替リスクにも注意します。
信用力が低いほど、一般に債券価格は低く・利回りは高くなりやすい
本番の形で解いてみる
学科・○×式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問13と同じ形)
割引債は、通常、利子の支払いがなく、額面金額より低い価格で発行され、償還時に額面金額が支払われる。
正しければ○、誤っていれば×。
答えと解説を見る
正解: ○
割引債は利払いを行わず、額面より低い価格で発行され、償還時に額面金額を受け取ることで差額が収益となる。まちがえやすい点: 定期的にクーポンが支払われる利付債と区別する。
実技・資料を読む問題(日本FP協会 2026年5月の公開問題 実技問8と同じ形)
債券の資料 額面100円当たりの金額。利回りは単利の年率。小数点以下第3位を四捨五入。
| 表面利率 | 年0.8% |
|---|---|
| 発行価格 | 98.2円 |
| 償還価格 | 100円 |
| 償還まで | 4年 |
この債券の応募者利回りとして、最も適切なものはどれか
- 1.27%
- 1.02%
- 0.81%
答えと解説を見る
正解: 1.27%
応募者利回りは、年利子0.8円に1年当たりの償還差益(100円-98.2円)÷4年を加え、発行価格98.2円で割って求める。計算結果は約1.2729%なので、小数点以下第3位を四捨五入して1.27%となる。まちがえやすい点: 償還差益を年数で割らずに全額加えない。
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問41と同じ形)
表面利率1.6%、残存期間5年の固定利付債券を額面100円当たり97円で購入し、満期まで保有した場合の最終利回り(年率・単利)は、( )である。税金・手数料等は考慮せず、計算結果は%表示の小数点以下第3位を四捨五入する。
- 2.27%
- 2.17%
- 1.65%
答えと解説を見る
正解: 2.27%
最終利回りは{1.6+(100-97)÷5}÷97×100=約2.27%である。まちがえやすい点: 償還差益3円は残存期間5年で割り、分母は額面100円ではなく購入価格97円とする。
この内容を問題で確かめる
読んだところを、問題で思い出してみましょう。
10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。