FP3級 学習ページ|CH02 リスク管理
リスクマネジメントと保険制度
リスクへの4つの対応
リスクへの対応は、原因となる行動をやめる回避、事故の発生確率や損失を小さくする低減、保険などで経済的損失を他者に移す移転、損失を自己負担する保有に整理できます。
保険は、事故そのものをなくす方法ではなく、事故が起きたときの経済的損失に備える「移転」の手段です。
回避・低減・移転・保有。保険は「移転」
社会保険と民間保険
社会保険は、公的な制度として病気・老齢・失業などの生活上のリスクに備える仕組みです。これに対して民間保険は、生命保険会社や損害保険会社などとの契約により保障・補償を準備します。
少額短期保険業者も保険業法による規制を受けますが、保険契約者保護機構の制度の対象ではありません。共済には根拠となる法律や運営主体が異なるものがあります。
社会保険=公的制度、民間保険=契約。少額短期保険業者は保護機構の対象外
保険会社が破綻したときの契約者保護
生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構の補償対象契約は、高予定利率契約などを除き、破綻時点の責任準備金等の90%までが補償されます。既払込保険料や死亡保険金の90%ではありません。
損害保険会社が破綻した場合も損害保険契約者保護機構による保護制度があり、保険種類によって補償割合が異なります。自賠責保険は100%補償されます。
ソルベンシー・マージン比率は、通常の予測を超えるリスクに対する保険会社の支払余力を示す指標で、200%が早期是正措置の目安とされてきました。2026年3月期からは、資産と負債を時価に近い考え方で評価する経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)による規制に移り、ESRが100%を下回ると早期是正措置の対象となります。
生命保険の90%は「責任準備金等」。自賠責は100%
保険契約のクーリング・オフ
保険契約の申込みは、適用除外に当たる場合を除き、申込日またはクーリング・オフに関する書面等を交付された日のいずれか遅い日から、その日を含めて8日以内であれば撤回・解除できます。
通知は書面または電磁的記録で行います。口頭だけで行う制度ではありません。
ただし、保険期間が1年以下の契約、保険会社の営業所などに出向いて申し込んだ契約、医師の診査を受けた契約などは、クーリング・オフの対象外となる場合があります。
遅い日から8日以内、書面または電磁的記録
告知義務と保険金請求権の時効
保険契約を結ぶとき、契約者や被保険者は、保険会社が告知を求めた重要な事項について事実を告知します。自分からあらゆる病歴を申告するのではなく、保険会社から質問された事項に答える仕組みです。
保険法では、保険給付を請求する権利は、行使できる時から3年間行使しないと時効によって消滅します。保険料の返還を請求する権利も3年間です。
保険募集人が契約者や被保険者に対して、重要な事項を告知しないよう勧める不告知教唆は、保険募集における禁止行為です。他人の死亡を保険事故とする死亡保険契約では、原則として被保険者本人の同意が必要です。契約者または被保険者が故意または重大な過失によって重要な事項を告知しなかった場合などは、保険会社が契約を解除できることがあります。
告知=質問された事項に答える。保険給付請求権は3年
本番の形で解いてみる
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問37と同じ形)
高予定利率契約などを除く生命保険契約者保護機構の補償対象契約では、原則として破綻時点の責任準備金等の( )までが補償される。
- 80%
- 90%
- 100%
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正解: 90%
高予定利率契約などを除き、原則として破綻時点の責任準備金等の90%までが補償される。まちがえやすい点: 保険金額や既払込保険料の90%ではない。
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問36と同じ形)
保険法上、保険給付を請求する権利は、これを行使することができる時から( )行使しないときは、時効によって消滅する。
- 1年間
- 3年間
- 5年間
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正解: 3年間
保険給付請求権は、行使できる時から3年間行使しないと時効によって消滅する。まちがえやすい点: 1年ではなく3年である。
4択の確認問題
企業が工場の火災による大きな経済的損失に備えて火災保険に加入することは、リスクへの対応方法のどれに該当するか。
- 回避
- 低減
- 移転
- 保有
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正解: 移転
保険に加入して事故時の経済的損失を保険会社に移す方法は、リスクの「移転」に当たります。事故の発生そのものをなくす方法ではありません。まちがえやすい点: 保険は事故を防ぐ「低減」ではなく、損失を他者に移す「移転」です。
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読んだところを、問題で思い出してみましょう。
10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。