FP3級 学習ページ|CH01 ライフプランニングと資金計画
公的年金の給付
老齢基礎年金は「65歳・10年」が入口
老齢基礎年金は、原則として受給資格期間が10年以上ある人が65歳から受け取ります。受給資格期間には、保険料納付済期間だけでなく、保険料免除期間や合算対象期間も含まれます。
20歳から60歳までの40年間、保険料をすべて納めた場合の2026年度の満額は、昭和31年4月2日以後生まれの人で年額847,300円です。昭和31年4月1日以前生まれの人は年額844,900円です。
免除期間などがあると、受給資格期間には入っても年金額は満額にならないことがあります。
マクロ経済スライドは、現役世代の減少や平均余命の伸びを踏まえて、公的年金の給付水準を調整する仕組みです。年金額を毎年一定額ずつ減らす制度ではありません。合算対象期間は老齢基礎年金の受給資格期間には算入されますが、年金額の計算には反映されません。老齢基礎年金の額は、保険料を納めた期間や免除を受けた期間などを反映して計算します。老齢厚生年金は、主に厚生年金の加入期間と加入中の報酬に応じて額が決まります。
老齢基礎年金は原則65歳から。受給資格期間は10年以上
繰上げ・繰下げと付加年金
老齢基礎年金は、60歳から64歳までに繰上げ受給をすると減額され、66歳以後に繰下げ受給をすると増額されます。繰り下げられるのは、昭和27年4月2日以後生まれの人などは75歳まで、昭和27年4月1日以前生まれの人などは70歳までです。
昭和37年4月2日以後生まれの人の繰上げ減額率は1カ月につき0.4%です。たとえば60カ月繰り上げると24%減額されます。繰下げの増額率は1カ月につき0.7%で、60カ月なら42%、120カ月(75歳まで繰り下げられる人)なら84%増額されます。
付加年金は、第1号被保険者などが定額保険料に月額400円を上乗せして納める制度です。65歳から受け取る付加年金の年額は「200円×付加保険料納付済月数」で計算します。国民年金基金の加入者は付加保険料を納められません。
繰上げ0.4%減/月、繰下げ0.7%増/月、付加年金は200円×納付月数
老齢厚生年金はここだけ押さえる
老齢厚生年金は、厚生年金の加入記録に応じて、原則65歳から老齢基礎年金に上乗せして支給されます。厚生年金の被保険者期間が原則20年以上あり、65歳未満の配偶者など一定の要件を満たす家族を生計維持していると、加給年金額が加算されることがあります。
加給年金額の対象となっていた配偶者が65歳になると配偶者加給年金額は原則として終了し、配偶者の生年月日など一定の要件を満たす場合は、その配偶者の老齢基礎年金に振替加算が加算されます。特別支給の老齢厚生年金は、老齢厚生年金の支給開始年齢を65歳へ引き上げる過程で設けられた経過措置です。対象となる生年月日などの要件を満たす人に60歳台前半で支給されます。在職老齢年金では、厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金を受ける人について、賃金と老齢厚生年金の額に応じて年金の一部または全部が支給停止されることがあります。
加給年金は原則20年以上+65歳未満の配偶者等
障害基礎年金と障害厚生年金
障害基礎年金は障害等級1級・2級が対象です。2026年度は、昭和31年4月2日以後生まれの人で、2級が年額847,300円、1級はその1.25倍の1,059,125円です。生計を維持する一定の子がいる場合は子の加算がありますが、配偶者の加算はありません。
障害厚生年金は1級・2級・3級があり、1級・2級では一定の要件を満たす65歳未満の配偶者がいると配偶者の加給年金額が加算されることがあります。障害基礎年金と障害厚生年金で、加算の対象を混同しないことがポイントです。
障害基礎は1・2級。1級=2級の1.25倍。基礎年金に配偶者加算はない
遺族基礎年金と遺族厚生年金
遺族基礎年金を受けられる遺族は、死亡した人に生計を維持されていた子のある配偶者または子です。子のない配偶者だけでは遺族基礎年金は受けられません。2026年度の基本額は、昭和31年4月2日以後生まれの子のある配偶者の場合、年額847,300円に子の加算額を加えた額です。
遺族厚生年金の対象となる遺族の範囲は、所定の要件を満たす配偶者、子、父母、孫、祖父母で、そのうち優先順位の高い人が受け取ります。年金額は原則として、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。夫の死亡時に30歳未満で子のない妻が受ける遺族厚生年金は、5年間のみの有期給付です。
一定の妻には、40歳から65歳になるまで中高齢寡婦加算が加算される場合があり、2026年度の年額は635,500円です。
遺族基礎=子のある配偶者・子。遺族厚生=配偶者・子・父母・孫・祖父母、額は報酬比例の4分の3
併給・請求・年金生活者支援給付金
公的年金は、受給要件を満たしても原則として請求の手続きが必要です。
所得などの要件を満たす年金受給者には年金生活者支援給付金が支給される場合があります。
年金は原則として請求の手続きが必要
離婚時の年金分割
離婚時の年金分割には合意分割と3号分割があります。合意分割は、婚姻期間中の厚生年金記録を当事者の合意または裁判手続きで定めた割合により分割し、分割割合の上限は2分の1です。
3号分割は、平成20年4月1日以後の第3号被保険者期間について、相手方の厚生年金記録を2分の1ずつ分割する制度で、当事者双方の合意は不要です。2026年4月1日以後に離婚等をした場合、分割請求は原則として離婚等の翌日から5年以内です。
合意分割は上限2分の1、3号分割は2008年4月以後の対象期間を2分の1、2026年4月以後の離婚は原則5年以内
本番の形で解いてみる
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問33と同じ形)
老齢基礎年金を受給するために必要な受給資格期間は、原則として( )以上である。
- 5年
- 10年
- 25年
答えと解説を見る
正解: 10年
老齢基礎年金の受給資格期間は、原則として10年以上である。まちがえやすい点: 以前の25年という要件と取り違えない。
学科・三答択一式(日本FP協会 2026年5月の公開問題 学科問34と同じ形)
遺族厚生年金の額は、原則として、死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分の( )に相当する額である。
- 2分の1
- 3分の2
- 4分の3
答えと解説を見る
正解: 4分の3
遺族厚生年金の額は、原則として死亡した者の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額である。まちがえやすい点: 2分の1や3分の2ではない。
4択の確認問題
1962年4月2日以後生まれの者について、老齢基礎年金に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 老齢基礎年金は65歳から受給できるが、60歳から70歳の間で繰上げ・繰下げが可能である。
- 老齢基礎年金を繰下げ受給した場合、75歳まで繰り下げることができ、最大84%増額される。
- 老齢基礎年金の受給資格期間は25年(300カ月)以上とされている。
- 老齢基礎年金を繰上げ受給した場合、繰上げ月数1カ月につき0.5%減額される。
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正解: 老齢基礎年金を繰下げ受給した場合、75歳まで繰り下げることができ、最大84%増額される。
1962年4月2日以後生まれの人の繰上げ受給の減額率は、繰上げ月数1カ月につき0.4%。繰下げ受給は原則として75歳まで可能で、75歳まで120カ月繰り下げた場合の増額率は最大84%(120カ月×0.7%)。受給資格期間は原則として10年(120カ月)以上。
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読んだところを、問題で思い出してみましょう。
10問を解く →どこから読むかはFP3の勉強の順番(過去の傾向から)にまとめています。試験に出る数字は勉強の順番のページの一覧にまとめています。このページの数字・制度は、2026年4月1日時点の法令などにもとづきます(2026年10月確認)。