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内部統制とITガバナンス

内部統制は、組織が健全かつ効率的に業務を行うための仕組みです。ITガバナンスやITマネジメントとの役割の違いも整理します。

内部統制の考え方

内部統制は、組織が健全かつ効率的に運営されるよう、自ら仕組みを整えて運用する考え方です。業務のルールを定め、適切に実施されているかを確かめます。

内部統制では、業務手順を明確にし、承認や確認の仕組みを設けます。不正や誤りを防ぎ、発見しやすくするために、業務を一人に集中させない仕組みが重要です。

内部統制は組織自身が業務を適切に行うための仕組み。

職務分掌でけん制する

職務分掌は、一つの取引に関する申請、承認、記録などの役割を適切に分ける考え方です。同じ人が最初から最後まで自由に処理できる状態を避けます。

例えば、支払を申請する人と承認する人を分ければ、不適切な支払を一人で成立させにくくなります。複数人が同じ作業を重複して行うことではなく、役割を分けて相互にけん制することが目的です。

申請・承認・記録などを分け、相互にけん制する。

モニタリング

内部統制は、仕組みを作っただけでは十分ではありません。モニタリングによって、統制が想定どおり機能しているかを継続的または個別に評価します。

問題が見つかった場合は、原因を調べて必要な改善につなげます。内部統制は、構築後も運用状況を確認し、必要に応じて見直します。

内部統制は作って終わりではなく、機能状況を確認する。

ITガバナンス

ITガバナンスは、組織の価値や信頼の向上につながるよう、ITの利活用のあるべき姿や方針を示し、その実現を図る活動です。取締役会など経営側の視点が中心になります。

ITガバナンスでは、ITの利用が組織の目的やステークホルダのニーズに合っているかを経営の立場から方向付けます。個別システムの日々の運用作業そのものを指す言葉ではありません。

ITガバナンスは経営の立場からITの方向を定める。

ITマネジメント

ITマネジメントは、経営方針やITガバナンスの方針に基づき、IT戦略の目標を達成するための管理活動です。ITの利活用を具体的にコントロールし、その結果を経営者へ報告します。

ITガバナンスが方向付けを担うのに対し、ITマネジメントはその方針に沿って実行を管理します。両者は対立するものではなく、役割の階層が異なります。

ガバナンスが方向付け、マネジメントが実行を管理する。

本番の形で解いてみる

基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

内部統制における職務分掌の例として、最も適切なものはどれか。

  1. 支払の申請と承認を同じ担当者に割り当て、記録だけ別の担当者が確認する。
  2. 支払の申請と承認を別の担当者に割り当てる。
  3. 支払の申請と記録を別の担当者に割り当て、申請者自身が承認する。
  4. 支払の申請と承認を同じ担当者に割り当て、一定額を超える場合だけ別担当者が記録する。
答えと解説を見る

正解: 支払の申請と承認を別の担当者に割り当てる。

職務分掌では、相互にけん制できるよう申請と承認などの役割を分離します。記録担当を分けても、申請者自身が承認できる状態では十分なけん制になりません。

まちがえやすい点: 申請・承認・記録のうち、どの権限を分離しているかを見る。

基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

ITガバナンスの活動として、最も適切なものはどれか。

  1. 経営の立場から、ITの利用方針が事業目的に合うよう方向付ける。
  2. IT部門の立場から、経営方針に沿ってIT施策の実施計画や進捗を管理する。
  3. システム監査人の立場から、ITに関する統制の有効性を独立して評価する。
  4. 利用部門の立場から、業務システムに必要な機能や運用要件を整理する。
答えと解説を見る

正解: 経営の立場から、ITの利用方針が事業目的に合うよう方向付ける。

ITガバナンスは、経営の立場からITの活用を評価し、事業目的に沿うよう方向付ける活動です。施策の実行管理や独立した監査とは役割が異なります。

まちがえやすい点: 経営による方向付けと、現場での実行管理を区別する。

基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

ITガバナンスとITマネジメントの関係として、最も適切なものはどれか。

  1. ITガバナンスはIT戦略の方向付けを行い、ITマネジメントはその方針に沿った実行を管理する。
  2. ITマネジメントが経営方針を決め、ITガバナンスが個別作業を実行する。
  3. 両者は同じ意味であり、役割の違いはない。
  4. ITガバナンスは情報システム部門だけが行い、経営側は関与しない。
答えと解説を見る

正解: ITガバナンスはIT戦略の方向付けを行い、ITマネジメントはその方針に沿った実行を管理する。

ITガバナンスは経営の立場から方向付けを行い、ITマネジメントはその方向に沿って実行を管理します。両者は役割の階層が異なります。

まちがえやすい点: ガバナンスを日常の運用管理と同じものと考えない。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、本番と同じ四肢択一の10問セットで思い出してみましょう。

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このページの内容は、IPA「ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5」(2026年1月公表)の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。