ITパスポート 学習ページ|ストラテジ系・システム戦略

業務プロセスとIT活用

仕事の流れを見える形にし、問題のある部分を改善する考え方を扱います。RPAやBYODなどは、具体的な利用場面と結び付けて整理しましょう。

業務をモデル化する

複雑な業務を理解するために、現実の仕事から必要な要素を取り出し、図などで表現することをモデリングといいます。担当者間の認識をそろえたり、無駄な工程を見つけたりするのに役立ちます。

モデルは現実そのものではなく、目的に必要な部分を抜き出した表現です。業務改善では、まず現状の業務プロセスを可視化して共有することが基本です。

改善の前に現状の流れを見える化する

DFDとE-R図

DFDは、データがどこから来て、どの処理を通り、どこへ保存・出力されるかを表します。業務やシステムでのデータの流れを整理するときに使います。

E-R図は、顧客・商品などの実体と、それらの関係を表す図です。DFDはデータの流れ、E-R図はデータ同士の関係を見る図です。

DFDは流れ、E-R図は実体同士の関係

BPMNと業務改革

BPMNは、業務プロセスを一定の記号で表現するための表記法です。処理の順序や分岐などを視覚的に整理できます。

既存の業務を根本から見直して大幅な改善を目指す考え方をBPRといいます。一方、業務プロセスを継続的に把握し改善していく考え方がBPMです。

BPRは抜本改革、BPMは継続的な管理と改善

定型作業をRPAで自動化

RPAは、PC上で人が行っていた定型的な操作をソフトウェアに実行させる仕組みです。決まった手順での転記、入力、ファイル処理などに向いています。

一方、人による高度な判断や創造性が中心となる業務は単純なRPAには向きません。ルールが明確で反復性の高い事務作業がRPAの代表的な対象です。

RPAは定型・反復するPC作業の自動化

業務ログから改善する

システムの操作履歴などのイベントデータを使って、実際に行われた業務の流れを再現・分析する方法をプロセスマイニングといいます。想定した手順と実態のずれを見つけることができます。

担当者への聞き取りだけでは把握しにくい迂回手順や待ち時間も、ログから分析できる場合があります。実際の業務記録を基にプロセスの課題を見つける手法です。

プロセスマイニングは実行ログから業務を分析

IT化前に業務を見直す

現在の非効率な手順をそのままシステム化すると、無駄まで固定化してしまうことがあります。そのため、業務の目的や処理手順を整理してからIT化を検討します。

表やグラフ、業務フローなどからボトルネックを見つけ、改善案を検討します。IT導入そのものが目的ではなく、業務上の課題解決が目的です。

まず業務を改善し、その手段としてITを使う

システム化の方法

業務をIT化する方法には、市販のソフトウェアパッケージを導入する方法や、目的に合わせて個別システムを開発する方法があります。グループウェアやオフィスツールの導入も業務効率化の一つです。

パッケージは既存機能を利用しやすい一方、自社固有の業務に完全には合わないことがあります。目的・費用・期間・業務への適合度を考えて方法を選ぶ必要があります。

システム化は目的や適合度に応じて方法を選ぶ

BYODとテレワーク

従業員が個人で所有するスマートフォンやPCを、組織の許可の下で業務にも利用する考え方をBYODといいます。会社から貸与された端末を使うだけではBYODとはいいません。

ITを使って自宅など勤務先以外でも働く形態はテレワークです。利便性だけでなく端末管理や情報漏えいへの対策も必要です。

BYODは私物端末の業務利用

IoTとM2M

IoTは、センサーや機器など様々なモノをネットワークにつなぎ、情報を収集したり制御したりする仕組みです。設備監視や物流管理など幅広く利用されます。

機械同士が人を介さず通信して情報交換することをM2Mといいます。IoTはモノをネットワークにつなぐ広い考え方で、M2Mは機械間通信に注目した考え方です。

IoTはモノの接続、M2Mは機械同士の通信

情報共有の道具

Web会議、チャット、電子掲示板、共有ファイルなどは、離れた場所にいる人との情報共有や共同作業に使えます。目的に応じて同期的な手段と非同期的な手段を使い分けます。

チャットやWeb会議は即時性が高く、電子掲示板や共有ファイルは後から参照しやすい特徴があります。利用者と目的に合ったコミュニケーション手段を選ぶことが業務効率化につながります。

即時性と記録性を考えて手段を使い分ける

本番の形で解いてみる

表を読む問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

次の業務のうち、RPAによる自動化の対象として最も適しているものはどれか。

業務内容
A毎朝、決まった形式の売上ファイルを集計表へ転記する
B新商品のブランドコンセプトを考える
C取引先との価格交渉を行う
D採用面接で応募者の適性を総合判断する
  1. 業務A
  2. 業務B
  3. 業務C
  4. 業務D
答えと解説を見る

正解: 業務A

決まった手順で繰り返すファイル操作や転記はRPAに向いています。判断や創造性が中心の業務は単純なRPAには適しません。

まちがえやすい点: PCを使う業務なら何でもRPA向きとは限らない。

基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

受注処理について、実際のシステム操作ログを収集し、担当者がどの順番で処理したかを可視化して遅延原因を探した。この手法はどれか。

  1. BPR
  2. プロセスマイニング
  3. BPM
  4. ワークフロー管理
答えと解説を見る

正解: プロセスマイニング

実際のシステムログから処理の流れを再現し、経路や停滞を分析する手法がプロセスマイニングです。BPRは業務プロセスそのものを抜本的に見直す考え方です。

まちがえやすい点: ログから実態を分析するのがプロセスマイニング、業務を再設計するのがBPR。

基本の問題(このページのために作った問題・本番と同じ四肢択一)

BYODの例として最も適切なものはどれか。

  1. 会社支給のPCを社内で使用する
  2. 会社が許可した従業員所有のタブレットを業務で使用する
  3. 会社支給のスマートフォンを私用にも使う
  4. 個人用PCを会社に譲渡して備品として使用する
答えと解説を見る

正解: 会社が許可した従業員所有のタブレットを業務で使用する

BYODは従業員が所有する私物端末を組織の許可の下で業務に利用する形態です。会社所有の端末を使う場合とは区別します。

まちがえやすい点: 会社支給端末の私的利用はBYODではない。

この内容を問題で確かめる

読んだところを、本番と同じ四肢択一の10問セットで思い出してみましょう。

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このページの内容は、IPA「ITパスポート試験 シラバス Ver.6.5」(2026年1月公表)の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。