基本情報技術者 学習ページ|科目A・プロジェクトマネジメント

リスクを見つけて扱う

プロジェクトのリスクには、目標に悪影響を与える脅威だけでなく、好影響を与える機会も含まれます。特定、評価、対応、管理の流れと、定性的・定量的な分析の違いを押さえます。

リスクの流れ

リスクの対象群には、プロジェクトの目標に影響する脅威と機会を特定し、マネジメントするためのプロセスが含まれます。主な流れは、リスクの特定で候補を洗い出し、リスクの評価で重要度を見極め、リスクへの対応で扱い方を決め、リスクの管理でその後の状況を追う、という関係です。

リスクは特定、評価、対応、管理の順で扱う。

リスク登録簿

特定したリスクを記録して管理するための代表的な情報がリスク登録簿です。評価を行うと、影響の大きさや発生しやすさなどを基に、対応を急ぐべきものを優先順位付けされたリスクとして整理できます。リスク登録簿は単なる発生済み障害の一覧ではなく、将来起こり得る事象を管理対象として扱うために用います。

リスク登録簿には将来起こり得る事象を記録する。

定性的な分析

リスクの定性的分析技法は、発生可能性や影響度などを段階や区分で評価し、リスク同士の優先度を比較する方法です。例えば、発生可能性を高・中・低、影響度を大・中・小のように整理すると、数値による損失額がまだ求めにくい段階でも重要度を判断できます。定性的分析は、期待損失額などを定量的に算出する分析とは区別することがポイントです。

定性的分析は段階や区分で優先度を判断する。

定量的な分析

リスクの定量的分析技法は、確率や金額などの数値を用いてリスクの影響を評価します。損失が生じるリスクについて、発生確率と影響額が与えられている場合、期待損失額は発生確率×影響額で求められます。複数のリスクを比べるときは、影響額だけでなく発生確率も含めて評価することで、優先順位を検討しやすくなります。

定量的分析では確率や金額などの数値を使う。

本番の形で解いてみる

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

プロジェクトのリスクの対象群に含まれるプロセスの流れとして、最も適切なものはどれか。

  1. リスクの特定、リスクの評価、リスクへの対応、スコープの管理
  2. リスクの特定、リスクの評価、供給者の選定、リスクの管理
  3. リスクの特定、リスクの評価、リスクへの対応、リスクの管理
  4. リスクの特定、品質の計画、リスクへの対応、リスクの管理
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正解: リスクの特定、リスクの評価、リスクへの対応、リスクの管理

リスクの対象群では、リスクを特定し、評価し、対応を決め、その後を管理します。ほかの選択肢には品質、調達、スコープのプロセスが一つ混ざっています。

まちがえやすい点: リスクの管理は、リスクを特定した時点で終わるのではなく対応後も続く。

科目Aの形: 四肢択一(計算)(このページのために作った問題)

あるリスクは発生確率が0.25で、発生した場合の損失額を180万円と見積もっている。このリスクの期待損失額はどれか。

  1. 720万円
  2. 180万円
  3. 45万円
  4. 135万円
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正解: 45万円

期待損失額は、発生確率×影響額で求めます。0.25×180万円=45万円です。135万円は発生しない確率0.75を掛けた値、720万円は確率で割った値、180万円は確率を掛けていない値です。

まちがえやすい点: 影響額180万円そのものではなく、発生確率を掛けて評価する。

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

リスクの分析方法の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 定性的分析では段階や区分で優先度を比べ、定量的分析では確率や金額などの数値を用いる
  2. 定性的分析では発生した問題の原因を調べ、定量的分析では将来の問題の発生を防ぐ処置を決める
  3. 定性的分析では確率や金額を用いて期待損失額を求め、定量的分析では高・中・低の区分で比べる
  4. 定性的分析ではリスクを回避する対応策を選び、定量的分析ではリスクを受容する対応策を選ぶ
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正解: 定性的分析では段階や区分で優先度を比べ、定量的分析では確率や金額などの数値を用いる

定性的分析は段階や区分を使ってリスクの優先度を比較し、定量的分析は確率や金額などの数値を用いて影響を評価します。イは二つを入れ替えた説明で、ウとエはリスクの分析ではなく、原因調査や対応の選択に関する説明です。

まちがえやすい点: 定性的と定量的の違いは、主に評価の表し方が区分か数値かにある。

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このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。