基本情報技術者 学習ページ|科目A・システム開発技術

設計を分割して表す

設計では、機能を分割し、各部分の役割と関係を明確にします。モジュールの独立性、オブジェクト指向、UML、レビューの目的を区別して理解します。

構造化設計

構造化設計では、システムの機能を大きな単位から小さな単位へ段階的に分割し、階層化して考えます。処理の流れやデータの流れを整理しながら、各モジュールの役割を明確にします。

機能を細分化するときは、単に小さく分ければよいわけではありません。一つのモジュールに関係の深い処理をまとめ、モジュール間の依存を小さくすることが、理解しやすさや保守性につながります。

関連の深い機能をまとめ、依存を減らすように分割する。

強度と結合度

モジュールの独立性は、内部のまとまりを示すモジュール強度と、モジュール間の依存の強さを示す結合度で評価します。一般に、内部で一つの明確な目的に集中しているほど強度は高いと考えます。

一方、他モジュールの内部構造や制御情報に強く依存するほど結合度は高くなります。強度は高く、結合度は低い設計が、変更の影響を局所化しやすい設計です。

独立性を高めるには、強度を高くし結合度を低くする。

オブジェクト指向

オブジェクト指向では、データとそれを操作する処理を一まとまりとして扱います。クラスは共通する属性や操作を定義した型で、そこから生成された具体的な実体がインスタンスです。

カプセル化は内部の状態や実装を隠して外部との接点を限定する考え方です。継承は既存クラスの性質を引き継ぎ、多相性は同じ操作名でも対象に応じて異なる振る舞いをさせる性質です。

クラスは型、インスタンスは実体。カプセル化・継承・多相性を区別する。

UMLの使い分け

UMLは、システムの構造や振る舞いを複数の図で表現するための表記法です。クラス図はクラスの属性、操作、関連などの静的構造を表し、シーケンス図はオブジェクト間のメッセージの時間順を表します。

ユースケース図は利用者などのアクターとシステムが提供する機能の関係を表します。状態遷移図は、イベントに応じて対象の状態がどう変化するかを表します。静的構造と時間順の振る舞いを取り違えないようにします。

クラス図は構造、シーケンス図は時間順、状態遷移図は状態変化。

パターンとレビュー

デザインパターンは、繰り返し現れる設計上の問題に対する代表的な解決の型を再利用する考え方です。特定の完成プログラムをそのまま使うのではなく、設計の考え方や役割分担を適用します。

レビューでは、成果物を実行せず人が確認して欠陥を早く見つけます。ウォークスルーは作成者が説明しながら参加者と確認する形があり、インスペクションは役割や手順を定めて体系的に欠陥を検出する正式度の高いレビューです。

デザインパターンは設計知識の再利用、レビューは実行前に欠陥を見つける。

本番の形で解いてみる

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

モジュールの独立性を高める設計方針として、最も適切なものはどれか。

  1. モジュール強度を高くし、結合度を低くする
  2. モジュール強度を低くし、結合度を高くする
  3. モジュール強度と結合度をともに高くする
  4. モジュール強度と結合度をともに低くする
答えと解説を見る

正解: モジュール強度を高くし、結合度を低くする

一つのモジュール内の処理が一つの目的にまとまっているほど強度は高く、他モジュールへの依存が小さいほど結合度は低くなります。独立性を高めるには、高強度・低結合を目指します。

まちがえやすい点: 強度と結合度はどちらも低い方がよいのではなく、強度は高い方が望ましい。

科目Aの形: 四肢択一(表を読む)(このページのために作った問題)

UMLの図と主な用途の組合せとして、最も適切なものはどれか。

図用途
Pクラスの属性・操作・関連を表す
Qオブジェクト間のメッセージを時間順に表す
Rイベントによる状態の変化を表す
  1. P=クラス図、Q=シーケンス図、R=状態遷移図
  2. P=ユースケース図、Q=クラス図、R=シーケンス図
  3. P=クラス図、Q=状態遷移図、R=ユースケース図
  4. P=シーケンス図、Q=ユースケース図、R=クラス図
答えと解説を見る

正解: P=クラス図、Q=シーケンス図、R=状態遷移図

クラス図は静的な構造、シーケンス図はメッセージの時間順、状態遷移図は状態変化を表します。用途を基準に図の種類を対応付けます。

まちがえやすい点: クラス図の静的構造と、シーケンス図の時間順の振る舞いを入れ替えない。

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

レビュー方式の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. インスペクションは役割や手順を定め、欠陥検出を体系的に行う
  2. ウォークスルーは、司会者や記録係などの役割と手順を定め、欠陥の件数を記録して体系的に行う正式なレビューである
  3. インスペクションは、作成者が参加者に成果物の内容を順に説明しながら、その場で問題点を探す非公式なレビューである
  4. ラウンドロビンは、プログラムを実際に動かして欠陥を見つける動的テストの一種である
答えと解説を見る

正解: インスペクションは役割や手順を定め、欠陥検出を体系的に行う

インスペクションは、参加者の役割や進め方を定めて成果物の欠陥を体系的に検出するレビューです。ウォークスルーは作成者が説明しながら参加者と確認する形で行われることがあります。

まちがえやすい点: レビューは成果物を人が確認する活動であり、実行によるテストとは区別する。

基本情報の学習ページ

ほかの学習ページの一覧と、2択の用語カード(750語)は、基本情報技術者のページにあります。

基本情報技術者のページへ →

このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。