基本情報技術者 学習ページ|科目A・データベース

データ活用の基盤を知る

データベース応用では、業務処理用と分析用の仕組みを分けて考えます。データを集めて整え、分析基盤へ載せる流れと、分散環境で整合性を保つ仕組みを確認します。

OLTPとOLAP

OLTPは、受注や入出金など日々の業務で発生する多数のトランザクションを短時間で処理する用途に向きます。個々の処理は比較的小さく、追加・更新・参照を繰り返します。

OLAPは、蓄積した大量データを多角的に集計・分析する用途に向き、期間別・商品別・地域別などの切り口で傾向を調べます。業務処理を素早く確定するOLTPと、分析を支援するOLAPを目的で区別することが基本です。

OLTPは日常業務処理、OLAPは蓄積データの分析。

DWHとデータマート

データウェアハウスは、複数の業務システムからデータを集約し、時系列で分析しやすい形に蓄積する分析用のデータ基盤です。日々の更新処理を担う業務データベースとは目的が異なります。

データマートは、営業や会計など特定の部門・目的に合わせて必要なデータを取り出して構成する比較的小規模な分析用データ集合です。複数のシステムのデータを統合した分析基盤と、特定用途に絞った分析用データ集合を区別すると理解します。

データウェアハウスは全体基盤、データマートは特定用途向け。

ETLとELT

異なるシステムのデータを分析基盤へ集める処理では、ETLとELTが使われます。ETLは抽出、変換、格納の順で、格納前に形式や値を整えます。ELTは抽出、格納、変換の順で、先にデータを格納してから基盤側の処理能力を利用して変換します。

重複、欠損、表記ゆれなどを修正する処理はデータクレンジングです。ETLとELTは変換と格納の順序が異なる点を押さえます。

ETLは変換してから格納、ELTは格納してから変換。

多様なデータを蓄える

構造化データは表の行・列のように項目や形式が明確なデータです。半構造化データはタグやキーなどで一定の構造を持つ一方、項目が固定されないデータを含みます。非構造化データは文書、画像、音声など表形式へそのまま当てはめにくいデータです。

データレイクは、これら多様なデータを加工前の形も含めて大量に蓄積し、後から用途に応じて処理・分析するための基盤です。先に用途を固定し過ぎず多様なデータを保持する点が特徴です。

構造の違うデータを広く蓄え、後から用途に応じて分析する。

分散して整合性を保つ

分散データベースは、複数の場所にデータを配置しながら、一つのデータベースのように利用できることを目指します。データの格納場所などを利用者に意識させにくくする性質を透過性と呼びます。

複数拠点にまたがる更新をそろえて確定する方法に2相コミットメントがあり、各参加者が確定可能かを確認した後に、全体として確定または取消しを決めます。またレプリケーションはデータの複製を複数箇所に保持して可用性や参照性能の向上などに利用します。

分散DBでは透過性、2相コミットメント、複製を区別する。

本番の形で解いてみる

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

全国の店舗売上を日々登録するシステムとは別に、過去5年分の売上を地域別・商品別・月別に集計して傾向を分析する処理として最も適切なものはどれか。

  1. OLTP
  2. OLAP
  3. ETL
  4. データクレンジング
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正解: OLAP

過去の大量データを複数の切り口で集計し、傾向を分析する処理はOLAPです。日々の売上登録のような短い業務処理はOLTP、ETLやデータクレンジングは分析の前にデータを集めて整える処理です。

まちがえやすい点: 登録処理の速さを重視する用途と、多角的な集計分析を重視する用途を区別する。

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

データ連携で、販売システムからデータを抽出した後、いったん分析基盤へ格納し、その分析基盤上で列名や形式を統一する処理方式はどれか。

  1. ETL
  2. ELT
  3. OLTP
  4. データマート
答えと解説を見る

正解: ELT

抽出したデータを先に格納し、その後で変換する順序なのでELTです。ETLでは変換を済ませてから格納します。

まちがえやすい点: E・T・Lの各文字よりも、変換と格納のどちらが先かを見る。

科目Aの形: 四肢択一(このページのために作った問題)

複数拠点のデータベースにまたがる一つの更新処理について、各拠点が確定可能かを確認した後、全拠点で確定または取消しをそろえるために用いる方式はどれか。

  1. 2相コミットメント
  2. レプリケーション
  3. 排他制御
  4. ロールフォワード
答えと解説を見る

正解: 2相コミットメント

複数の参加者に対して確定可能かを確認し、その結果を受けて全体の確定または取消しを決めるのが2相コミットメントです。分散更新の一貫性を保つために使われます。

まちがえやすい点: レプリケーションはデータの複製を保持する仕組みで、分散トランザクションの確定手順とは異なる。

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このページの内容は、IPA「基本情報技術者試験 シラバス Ver.9.2」(2026年1月公表)と試験要綱Ver.5.6の範囲にもとづきます(2026年10月確認)。IPAは2027年度春ごろから新しい試験制度に移る予定です。